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 アドベンチャーレーシング・ワールド・シリーズ

 

アドベンチャーレースジャパン in 長野 2018 

―競技規則(和訳)―
Ver1.4  2017/4/14(和訳ver.1 2017/11/17)
 

1.大会前: チームは、登録手続き、装備および適正能力(スキル)チェックを受けることが必須である。また、主催者が事前に予定しているブリーフィングや講習会などには必ず出席しなければならない。
2.装備: チームおよび出場者は、主催者が規定する必携装備品、およびアドベンチャーレーシング・ワールド・シリーズ(ARWS)が提示している必携装備品のリストに書かれているものを必ず携行しなければならない。
3.レース・コース: チームは主催者から提供された地図を使用し、レース規則に従いながら、コースブックとマップの指示に従ってチェック・ポイント(以下、CP)とトランジション・エリア(以下、TA)を通ってゴールする必要がある。コースを完走し、すべてのルールを遵守したこと、またはペナルティを考慮して、優勝チームを決定する。
4.チーム: チームはレース中にメンバーを交代することなく、コースを一緒に回り、ゴールする必要がある。行動中は互いが見えており、また口頭でコミュニケーションするのに十分な至近距離で移動しなければならない。
5.サポート/アシスタンス: チームは、レース中に外部からの支援を受けてはならない。
6.緊急時の対応、医療とコミュニケーション: 自分たちのチームまたは別のチームのだれか、あるいは外部の誰かが医療手当の必要となるような緊急事態が発生したり、遭遇した場合には、レースを停止して支援を行う。
7.環境: チームはコース上の環境や風景に影響を与えないよう、レースの形跡を最小限に留めるよう行動しなければならない。
8.行動: 競技者は、常に不正行為、暴力的行為や行動、言動を禁止し、周囲に敬意を払い行動しなければならない。
9.禁止薬物: 競技者が禁止薬物を使用することは、世界アンチ・ドーピング・コード(2013年禁止リスト)で禁止されている。
10.ペナルティ: コースを指示どおりに完了しなかったチームは、競技規則に従って、時間によるペナルティ、非ランク外(UR)、未完了(DNF)、または失格(DQ)となる。
11.審判:これらのルールの審議・審判は、レース審判員および指定されている場合は、レースディレクターとレース審査員の責任において行われるものとする。チームによる正式な抗議は、チームが完走またはリタイヤしてから12時間以内に書面で提出すること。
12.各レース特有のルール: 各地のレースにおいて、レース特有のルールがある場合がある。もしルールが競合した場合には、ARWSの競技規定を優先するものとする。
 


 

ARWS(ARJ)の完走に関するルール、および詳細な説明

*ペナルティについて:ペナルティには3段階(青、黄、赤)あり、詳細の説明はセクション10を参照。
 

1.レース前チェック、ブリーフィングについて

 

チームは、登録手続きと、事前の装備チェックおよび適応能力(スキル)チェックを必ず受けること。主催者が事前に予定しているブリーフィングや講習会などには必ず出席しなければならない。 [青]

 
1.1. 適正能力(スキル)チェックは、チェック内容を適切な時間内で終わらせること、また主催者が課した内容に合格することが必須。スキルチェックに合格しなかった場合は、レースの一部のみへの参加(一部のコースセクションへの参加を除外されるなど)となるか、あるいはチームまたはその個人の、レースへの参加が認められないこともある。
1.2. 主催者による装備チェックを必ずパスすること。必携装備の要件を満たさない場合には、レースへの参加を許可されないこともある。
 

2.装備について

 
チームおよび出場者は、主催者が規定する必携装備品、およびARWS(ARJ)が提示している必携装備品のリストに書かれているものを必ず携行しなければならない。
 
2.1. レース審判員またはスタッフによる装備チェックを必ず受けること。レース前の装備チェック以外にも、レース中に不作為でのチェックもある。 [赤]
2.2. ARWS(ARJ)必携装備リストに記載のある、すべての必携装備品を携行しなければならない。 [黄]
2.3. レース中に失くした必携装備品があれば、次の有人のCPまたはTAでスタッフに報告すること。チームは、その必携装備が届くまで、その場に留まらなければならない。 [黄]
2.4. 携行禁止アイテムはARWS(ARJ)必携装備リストに掲載している。その他、以下の装備についても携行を禁止。[赤]
2.4.1. モバイル機器の持ち込み。携帯電話、ラジオ、スマートフォン、インターネットへ接続する機器、パソコン、その他の通信機器など。(ただし、大会主催側から提供されたものは除くものとする)
2.4.2. あらゆるGPS機器(大会主催側から提供されたものは除くものとする)。ただし、主催者スタッフによって密閉できる袋の中に封印する形式での持ち込みは可能。(ゴールで開封されていないかチェックする)
2.4.3. フットポットやペドメーターのような歩数計や距離の測定装置。(サイクルコンピューターは除く)
2.5. 追跡装置は正しく作動している必要がある。[青色]/[黄色] 例えば、本機の電源を切る、あるいは意図的にシールドで覆い、追跡できないように加工することを禁止。[赤]/DQ
2.6. 公式レースマップが配付された後は、他の地図を参照したり、持ち込むことは禁止。[赤]
2.7. レースビブは、衣服の最も外側に着用しなければならない。(ライフジャケットの場合も一番外側にビブを着用すること)。ビブを変形させたり、ビブのナンバーや印刷部を隠すような着衣も禁止。背負うタイプのバックパックのみビブの上でも可。また競技者の、前面側にくる細い紐状のショルダーストラップは使用可能。ビブの前面、一部分でも覆ってしまうベストタイプのザックの使用は禁止。 [青]
2.8. 主催者が用意したラフティングやサップへの改造を禁止。 [赤]/DQ
2.8.1. 主催者が該当種目設定を行わない限り、レース内でのセイルやカイトの使用は禁止。
2.8.2. カヤック用(今回はカヤックはなし)キャリアカートの使用は、レース用のボートを損傷したり、改造の必要がない場合には許可。
2.8.3. 取り外し可能な座席パッドシートやフットレストの使用は、レース用のボートを損傷したり改造の必要がない場合には許可。
2.9.主催者が指示するその他の必携装備品のルールに従うこと。[青]/[黄]
2.9.1. バイクボックスと補給ボックスは、規定の寸法および重量を超過してはならない。[青]/[黄]
 

3.レースコースについて

 
本レースは、コースノートとレースマップに指示されたコースを、チーム揃ってゴールしなければならない。スタートラインから始まり、レースチェック・ポイント(CP)とトランジション・エリア(TA)を通過すること、各区間は規定された競技で進み、フィニッシュラインを目指す。完走した順番とペナルティを計算して、優勝チームを決定する。
 
3.1. コースが発表された後、競技者、メディア、サポーターはスタートより先への侵入を禁止。[赤]/DQ
3.2. 競技者は、レースディレクターの許可を得ずに、勝手にコース範囲を離れることを禁止。[赤]/DQ
3.3. コースは、コースノートとレースマップで指定された通りに進行しなければならない。特に指定がない限り、各レグ内の全CPを通過して完了する。[青]/[黄]/[赤]/DQ
3.3.1. 各レグ内での装備は、コースノートに指示がない限り、その競技に関わる必携装備品以外の携行は許可されていない。たとえばトレッキング区間では、マウンテンバイクの持ち込みは禁止。[赤]/DQ
3.3.2. マウンテンバイクまたはパドリング区間で、無人CPが設定されている場所がその装備ではたどりつけない場所だった場合は、チームはマウンテンバイクやカヤックを一時的に離れることを許可する。該当するCPまでトレッキングで行き、回収、またマウンテンバイクやカヤックの場所へ戻ること。またその間はトレッキングに必要な必携装備品を携行しなければならない。
3.4. チームは、無人CPを通過した証拠を、主催者が指示した方法(オリエンテーリング・パンチや電子タイムチップなど)で記録する必要がある。証拠となる記録を取り損ねた場合、無人CPを「通過なし」と見なされる。無人CPを訪問しても通過の記録がない場合には、CPを通過しなかったことと同じと見なされる。なお、大方のレースは、無人CPを逃した場合のペナルティについて、コースノート上に記載があるが、記載のない場合もある。
3.4.1. チームがレースマップにマークされている地点の無人CPを訪問したにも関わらず、CPを見つけることができなかった場合(CPが盗まれたり、誤った位置に配置されるなど)、チームは正しい場所を訪問したことを証明するため、デジカメなどで周囲の写真を撮影し(必要に応じてフラッシュを使用可)、次のTAでレースディレクターにその写真を提示する。またレースディレクターはチームの携帯しているトラッキング・デバイスを参照して、そのチームが正しい位置を通過したことを確認する。もしチームがCPの場所を誤っていた場合、加算ポイントは与えられない。
3.4.2. もし途中で無人CPを通過し損ねたことに気づいた場合、チームはその位置からできるだけ最短のルートで、かつ通行が許可されている場所を通ってCPを取りに戻ってもよい。ただし、通過し損ねたCP以降の区間で、先に獲得したポイントについては全て破棄され、取りに戻ったCPからコースノートとレースマップに示されている順番通りに再探索、再通過することとする。
3.4.3. チームが無人CPの通過を証明するカードや機器を失った場合(例えば、コントロールカードや手首バンド、タイミングチップなど)、チームはそれらの無人CPを通過したという証拠の写真を撮り、主催者が指定する方法に従ってレースを進行すること。(例えば、CPに設定されているコードを手書きで記録する「、レースマップにパンチしていく、など)。 [青]/[黄]/[赤]
3.4.4. チームがCPの訪問の証拠として写真を撮るときは、レースディレクターが納得できるよう、CP周囲について、詳細情報が含まれる画角で撮影すること(場所が見てわかるような写真であること)。必要に応じてフラッシュを使用。可能な限り、写真にチームメンバーを含めること。撮影地がはっきりと判別できない写真は、いかなる理由であれ(レンズに水滴がついていた、暗すぎた、構図が悪い、ピントが合っていないなど)無効となる。装備の故障(バッテリ切れ、カメラの故障など)も、正当な理由とは認められない。
3.5. チームは、有人TAまたは有人CPをチェックインする際に、主催者が指示した方法で行わなければならない。(たとえば、シートへのサイン、パスポートへのサイン、電子タイミングチップの使用など) [青]。
3.6. 立ち入り禁止区域への立ち入りは禁止。 [青]/[黄]/[赤]/DQ
3.6.1. 特別に主催者側から許可の発表がない限り、私有地への立ち入りは禁止。たとえチームが土地所有者に直接許可を得ようと働きかけたとしてもレース中の通行は禁止。
3.7. 主催者が指定する道順(ルート)がある場合は、必ずその道順(ルート)を通らなければならない。 [青]/[黄]/[赤]/[DQ]
3.8. チームは、いかなる時も法律を遵守しなければならない。 [青]/[黄]/[赤]/DQ
3.9. 主催者側が口頭または書面で、公式に発表した指示にチームは従わなければならない。[青]/[黄]/[赤]/DQ この指示とは、レーススタッフがコース上での任務に関連して、助言するアドバイスや勧告はこれに該当しない。また、レーススタッフによる指示説明の内容に混乱や矛盾があった場合は、レースディレクターからの指示を優先すること。
3.9.1. レースノートまたはレースマップに記載されている指示の変更について、レースディレクターのみ変更することができる。また変更があった場合、変更指示は書面で発表されるので、レースディレクターまたはオフィシャルスタッフが各チームへその書面をもって伝達すること。チームには、指示書を受け取った際に受け取り確認サインを書いてもらう。なお、公式変更指示を口頭で伝えることは、特異な状況の場合のみとする。
3.10. レースクロックは止めることはしない。TAでの滞在時間は、チームのレース時間にカウントされる。
3.11. 主催者は、安全確保のため、またはその他の事由で、ノンタイムドセクション(安全のため、一時的にレースタイムを止める場所)を設けたり、強制停止をさせることができる。
3.11.1. 強制停止またはノンタイムドセクションであっても、参加チームはARWS(ARJ)競技ルールに則って行動すること。これは、サポートや外部からの支援に関するルールにも密接に関連する。
3.12. チーム全員がフィニッシュラインを超えたときに、公式にフィニッシュとして認められ、レース時間が計測される。
 

4.チームについて

 
チームは、メンバーが途中で代わることなく、またいかなる時もメンバー同士が見える範囲、会話のできる範囲内で行動を共にしながら、ゴールしなければならない。
 
4.1. 各チームは、レース前、レース中、レース後のいかなる時にもチームを代表する者としてのチームキャプテンを任命すること。
4.2. 攻撃的な言葉や嫌悪感を感じさせるチーム名は、チーム名としての使用を許可されない4.3. すべての選手は、主催者から特別免除が与えられていない限り、レース開始の時点で最低18歳でなければならない。
4.4. チームは、いかなる時もメンバー同士が見える範囲、会話のできる範囲内で行動を共にし、レースを進行しなければならない。そのため、よほどのことがない限り、最前と最後尾のメンバーの距離は100m以上離れることがないようにすること。メンバー同士が、過失で[黄色]/[赤] または故意に離れることがあってはならない。DQ なお、このルールの例外は次の通り。
4.4.1. 主催者から、コースの途中でチームを二分して進むことを許可している区域内の場合(例えば、主催者の指示により、オリエンテーションセクションを二人組(ペア)で進むことを許可した区域など)。
4.4.2. チームが、TAにチェックインしてから、TAをチェックアウトするまでの間。
4.4.3. 緊急事態の場合(例えば、2人のチームメンバーが助けを求めに行く間に、もう1人のメンバーが負傷したメンバーと一緒にいるような場合)。
4.5. 主催側から他の方法を指示されない限り、すべてのチームメンバーが各チェックポイントの周囲5m以内に入っている必要がある。過失で[黄]/[赤]、または故意にDQ順守しなかった場合はペナルティとなる。
4.6. チームは、指定された人数でレースを開始し、完走する必要がある。すべてのチームメンバーが、すべての区間の競技を行うこと。また、チームメンバーの代替は認められない。 [赤]/DQ
4.7. チームメンバー、またはチーム全体が棄権する場合、大会運営本部へ最も早い方法で通知すること。
4.8. チームメンバーの1人または複数のメンバーが、棄権すると本人が判断した場合、あるいはレースディレクターから退場を命じられた場合、チーム全体でそのメンバーを最寄りのTA、または捜索・救助チーム、メディカルチームまで送り届けなければならない。もし、残りのチームがレースを続行したい場合は、許可なく自動的に継続できる権利はなく、レースディレクターからの続行許可が必要。レースディレクターは、天候やタイミング、棄権するメンバーに必要なサポートと手当て、そして残りのメンバーの健康状態などを鑑みて判断し、続行可能かどうか決定する。
4.8.1. チームは、コースの途中でメンバーを置き去りしてはならない。 [黄]/[赤]
4.8.2. チームメンバーが棄権した場合、レース後半で再び参加することは認められない。(同チームへの再参加、もちろん他チームとして参加することも認められない)
4.8.3. 一度チームがランク外となった場合、再び本レースのランキングに加わることはできない。(たとえチームメンバーの代替により、人数が要件に達したとしてもランキングには反映されない)
4.8.4. 競技者が棄権したチームの一員だった場合(チームの他のメンバーが棄権したものによる棄権であって、自身が棄権したものではない競技者)は、主催者の裁量により、他のランク外となったチームに加わることができる。(ただし、受け入れるチームがその競技者を受け入れる意思がある場合に限る)
 

5.サポート/援助について

 
チームはレース中に大会認可なしにレースに関連した外部からの援助を受けることはできない。
 
5.1. 大会開催前および開催中において、コースやルートに関するいかなる情報も主催者、大会関係各位および土地管理者から求めることは認められない。特に自然公園局、警察、政府関係者、土地所有者などの土地利用許可申請プロセスにより実際のコースを把握している団体・個人はすべて関係者とみなす。これは開催地に関する一般的な調査を除いた実際のレースルート情報に限る。 [赤]/DQ
5.2. チーム、参加競技者および参加関係者により、レース前にコース上に装備、食糧、その他の物資を保管・準備することは認めない(主催者を除く)。 [赤]/DQ
5.3. レース中に同じ場所に戻るようなルートであれば、アイテム(例えば、食料/水/衣類等)を一旦その場に保管することは認められる。ただし、レースの完了前にすべてのアイテムを取得し、コース上に何も残さないことが条件となる。[黄色]/[赤] これはチーム自身の判断および責任であり、必携装備については携行が義務となる。
5.4. 各メディア、サポーター及びレースまたは競技者と関係がある方からの援助については下記によって取りまとめられる。
5.4.1. レースコースの発表(地図の配布)後は、上記関係者による一切の援助は認められない。これにはレースプランニング、ルートのアドバイス、装備への接触、およびレースに対する準備行動の一切が含まれる。 [黄]/[赤]/DQ
5.4.2. メディアとサポーターは、特定のTAや地点等レース主催者が指定する場所において観戦することができる。ただし、指定されているスリープ・エリアにおいては、メディアとサポーターはこれらの地域へのアクセスは禁止。 [青]/[黄]
5.4.3. メディアやサポーターは、コース上において、どのような状況であっても競技者および装備への接触を禁止。また、ある行為によって特定のチームに対し有利・不利になる状況を作ることも認められない(例えば、車両/ボートに乗っている選手に手を貸す、チーム装備を移動する、ボートの引き波でパドリング、車の後ろでペーシングやドラフトを利用するなど)。 [赤]/DQ
5.4.4. サポーターと非認定メディアは、近距離での随行、先導、ペーシングまたは追尾等を禁止。認定メディアは、主催者により認められた区間・時間内での上記行為を認める。 [青]/[黄]/[赤]
5.4.5. メディアおよび選手は、レース前にコース上に装備、食糧、その他の物資を保管・準備することは認められない。 [黄]/[赤]/DQ
5.4.6. メディアとサポーターは競技者に対する栄養剤、医療用具、装備品およびその他のいかなる形式の援助も禁止。[黄]/[赤]/DQ
5.4.7. メディアやサポーターは競技者に対し情報を渡すことを禁止。(例えば、他のチームの位置、ペース、スプリット時間、睡眠、ルート選択、戦略など)。 [青]/[黄]/[赤]/DQ
5.4.8. メディアは、チームのナビゲーションを支援するような位置での待機または撮影は認められない。(例えば、無人CPの場所、道路ジャンクションなど)[青]
5.5. 一般市民、企業、観客からの援助については下記によって取りまとめられる。一般市民、企業、観客からの援助とは大会およびアスリートと特定の関係がなく、(場所・時間などの制限を考慮して)すべての競技者が平等かつ公平なアクセスを有しているものを指している。
5.5.1. レースコースの発表(地図の配布)後、第三者専門家または「地元の人」からの援助、協力、特にルートと選択、地図上のアドバイス、時間の推定等は認められない。[青]/[黄]/[赤]/DQ
5.5.2. 一般市民は、コース上で競技者または装備を移動することを禁止。(例:タクシー、ヒッチハイク、家畜の利用、車両/ボートに乗せる、装備の運送、ボートの引き波を起こしパドリングを補助する、車で競技者の前につき、ペーシングやけん引を行うなど)。 [赤]/DQ
5.5.3. 競技者は一般常識に基づいた分別ある行動により、食べ物/飲み物/栄養/宿泊/医療用品等を商店から買い求めたり、一般市民に提供を依頼することを認める。ただし競技者自身、本大会及びアドベンチャーレースの評判・信頼を損なうような行為は認められない。
5.5.4. 競技者が一般市民に対して道を聞いたり、写真の撮影や質問に答えるなどのコミュニケーションをとることを認める。
5.6. 大会主催者、スタッフ、関係者、ボランティアからの援助は下記によって取りまとめられる。
5.6.1. 競技者が他の競技者と装備の貸し借りを必要としている場合、上記関係者によるコミュニケーションの援助を合理的な制限の範疇に限り認める。
5.7. レースに参加している他の競技者からの援助については下記によって取りまとめられる。
5.7.1. 全コース、短期コースまたは参加レースに参加しているチーム、または選手、またはUR(ランク外)の選手同士で、装備の貸し借り、食べ物の共有、ナビゲーションのアドバイスなどの相互援助を認める。また棄権した選手は、レース継続中のチームに対し、装備や食糧を提供することを認めるが、それ以外の援助は禁ずる。
5.7.2. 誰かの所有物、またはその一部に関して所有者の明白な許可なく、貸与・提供・援助することは禁止。 [赤](例えば、ある自転車部品を必要となり、他のチームから許可されることを前提に勝手に予備の部品を拝借するなど。必要な場合は必ず所有者に直接許可をとり、可能な限り大会関係者に援助を要請すること )。
5.7.3. 公正を期すために、援助を提供する競技者は、すべての競技者に対し同様に援助を提供する意思がなくてならない。(例えば、あるチームが特定のチームだけを支援するということは不公平であり、またすべてのチーム間で友情を育むというアドベンチャーレース精神に反する)。
5.8. 主催者がレース中のサポートクルーを許可する場合、主催者はサポートクルーに関する追加ルールを制定することが認められる。
 

6.緊急事態、医療およびコミュニケーションについて

 
医療的緊急事態に遭遇した競技者は、それがチームの自他、大会関係者、または部外者なのかにかかわらず、応急処置をするために競技を一時中断する義務がある。
 
6.1. 緊急事態に遭遇したチームは、それが自分のチーム、別のチーム、またはイベントの部外者にかかわらず、支援するために停止する必要がある。主催者は処置に要した時間を可能な限り考慮し、レースタイムを再計算すること。また、対応する意思を見せずレースを続行した場合はペナルティ対象となる。[青]/[黄]/[赤]
6.2. 競技者がレース中に個人的な常備薬を必要とする場合は、必ずレース中の携行を必須とする。事前に医師の指示を受け、その通りに服用すること。 [青]/[黄]
6.3. 競技者が競技を続行することにより、本人、またはチームメートに対し重篤・恒久的な傷害、障害または死亡の可能性を及ぼすときは、大会責任者の認可の下、医療スタッフは選手をレースから強制的にリタイヤさせる権限を持つ。また医療上・安全上の理由によって下された競技者の強制リタイヤは決定事項であり、覆されることはない。
6.4. 静脈注射は医療スタッフによってのみ管理・処置を認める。静脈注射を摂取した競技者はそれ以降レースを継続することは認められない。
6.4.1. イベント医療スタッフ以外による静脈内の投与は禁止。[赤]/DQ
6.5. 緊急通信デバイスのSOS / 911機能(*日本は110番)は、チームが重大なまたは生命の危険がある状況で直ちに援助を必要とする場合のみに使用を認める。 [赤]/DQ
6.6. 主催者が緊急時用に競技者に通常の通信能力を有する連絡装置を提供する、または競技者自身が携帯電話やラジオなどの連絡装置を用意する場合、チームは下記の状況においてのみ通信機能を使用することを認める。
6.6.1. コース上にて危険な状況に遭遇し、チームや他のチームにとっても危険であり、また主催者がその危険な状況を把握していない可能性がある場合。
6.6.2. 非緊急医療援助の要請、または競技者・チームのレース離脱の連絡。
6.6.3. 競技者が安全を優先させた結果、主催者が不必要な緊急対応を開始してしまう可能性があるような極端なルートを意図的に選択した場合。
6.6.4. 単に方向を尋ねる、CPが所定の位置にないと思われるなど、その他不特定の連絡に使用した場合はペナルティが課される。[青]/[黄]
6.7. 競技者が主催者、他のチーム、または一般救助を必要とする緊急事態、もしくはそれに準ずる状況に遭遇し、本人、チームメンバーまたはチーム全体の救助を要請した場合、チームはペナルティを課される。 [黄]/[赤]
 

7.環境の保全について

 
競技者は大会開催地における地元環境と景観の保全を重視し、レースの痕跡を最小限に留める努力をする義務がある
 
7.1. 競技者によって出された全てのゴミはレースコースから持ち出し、適切な場所・方法にて処分すること(ごみ箱など)。 [青]/[黄]
7.2. TA内で出たすべてのゴミは、指定されたごみ箱がある場合はそこに廃棄すること。ない場合はチームの装備ボックスに詰め、大会終了後、各競技者の責任において適切な場所で処分すること。 [青]/[黄]
7.3. レース中での点火に関しては、主催者の定めるルールに従うこと。[青]
7.4. すべての野生生物や家畜の尊厳を守り、不必要な影響・混乱を起こさないよう行動すること。 [青]
7.5. 排泄はトイレで行わなければならないが、不可能な場合は、小川などの水源から目安として20〜30cm離れた上、地中に埋めること。 [青]*野外排泄のルールが日本では違うので確認・修正が必要
7.6. 自然環境に配慮し、現地の植生への過度、または不適当な影響を与える行為は避けること。[青]
 

8.競技行動について

 
競技者は、常に周囲に敬意を払い行動しなければならず、不正行為や行動・言動・暴力等の悪用は禁止
 
8.1. 競技者による大会備品の取り外し、改ざん、調整等を禁止。例えばCPマーカ、パンチ、標識、ルートマーキング等の移動や隠匿。[赤]/DQ
8.2. 競技者は主催者および競技役員に対し、不正確/不完全な情報を報告することを禁止。意図的な行為は虚偽報告とみなされる。 [黄]/[赤]/DQ
8.3. 競技者自身、本大会及びアドベンチャーレースの評判・信頼を損なうような行動を禁止する。常に誠実さを持ち周囲を尊重する行動を心がけてください。以下は許容されないと行為の一例:[青]/[黄]/[赤]
8.3.1. 道を尋ねるために真夜中に一般市民宅に訪れる。(非緊急事態ではない状況において)。
8.3.2. 公共の場において大声で乱暴な言葉を使うなど。
8.4. 例えばTAや川を渡って泳ぐなどで着替える場合、公の場で裸になることは、いくつかの文化や場所では容認されていない行為。競技者は文化の違いによる混乱・軋轢避けるための最大限の努力をする義務がある。[青]
8.5 他の競技者、レース関係者、メディアまたは一般市民に対する暴力行為、虐待行為、攻撃的、または脅迫的な言動は認められない。 [赤]/DQ
 

9.禁止薬物の使用について

 
世界アンチ・ドーピング機関の定める禁止薬物(The 2013 Prohibited Listに掲載)の使用は認められない。 [赤]/DQ
 

10.ペナルティについて

 
ARWSおよびARJのルールに従わないチームは、タイム・ペナルティ、ランク外(UR)ステータス、DNFステータス、またはDQ(失格)といったペナルティが適用される。
 
10.1. 自チームを有利にしようとした不正行為が、チームまたは選手によって意識的かつ意図的に行われた場合、その違反の大小に関わらず、すべての不正行為に関して、そのチームまたは選手を失格とし、直ちにレースコースを離れることとする。最も深刻な場合には、選手の今後のARWSおよびARJの大会に参加を禁止することもある。
10.1.1. 特定の選手のみが失格となり、チームが失格にならなかった場合、チームの残りのメンバーのみでレースディレクターの裁量によりレースを続けることが許可される場合がある。
10.2. ARWS審判員は、故意にではないが、ARWSおよびARJのルールを1つ以上違反したチームあるいは選手にペナルティを科すことができる。
10.3. ARWSおよびARJの競技ルールは、公式の警告と3つの警鐘度合いによるペナルティ(他スポーツのペナルティカードと同様)を以下の通り定義している。 [青]/[黄]/[赤]。
10.3.1. 「公式の警告」は、ペナルティを科すことが適切でない場合や、または通常ならペナルティとなるものの、状況に混乱が生じペナルティを正当化できない場合に発行されることがある。
10.3.2. 青のペナルティ[青]は最も軽度であり、軽微な違反や、管理エラーなど。通常は時間ペナルティで30分から2時間のペナルティ。レース審判員が決定する。
10.3.3. 黄色のペナルティ[黄色]は重大な違反に対して課されるもので、より厳しいペナルティが課される。通常、2時間~6時間のタイム・ペナルティ。レース審判員が決定する。青のペナルティ2つで自動的に黄のペナルティ扱いとなる。
10.3.4. 赤のペナルティは[赤]は最も重大で重度な違反に対して課され、深刻なルール違反に対して付与される。ルールの違反の度合いよっては6時間以上のタイム・ペナルティ、またはチームのレースステータスの変更対象となる(URまたはDNFなど)。 いかなる理由であれ、2つ目の黄のペナルティを重ねた場合、自動的に赤いペナルティとなる。深刻な場合には、選手またはチームの失格となりうる。レフリーが決定する。最も深刻なケースでは、ARWSおよびARJへの今後の参加を禁止することになることもある。
10.3.5. DQ(失格)は、チームが有利に進められるように、意識的かつ意図的にルールを破るといった特定の不正行為の場合に課される。
10.3.6. 状況によっては2つ以上のペナルティレベルにまたがるルール違反が起こった場合に(例:[青]/[黄]、[黄]/[赤]、[青]/[黄]/[赤])、適切なペナルティレベルは、レース審判員がその責務において判断する。
10.4. ペナルティの実施は、特定の時、場所で執行することもでき、またはチームが完走後にレース完走時間に追加することもできる。レース主催者の裁量により決まる。
10.4.1. 大部分のケースとして1位、2位、3位、4位、5位といった上位完走に入る可能性のあるチームに対してはフィニッシュライン直前の有人TA、またはCPでタイム・ペナルティが追加される。 例えばTAで実施される場合、彼らがTAをチェックアウトした後にタイム・ペナルティ(足止め時間)が始まる。彼らはTAにある装備にアクセスすることはできない。また、TAからペナルティエリアに持って出た装備または消耗品は、フィニッシュラインまで持参しなければならない。もし主催者が避難所を提供した場合は使用してよい。ペナルティエリアとTAは分離していなければならない。
 

11.審判について

 
これらの規則の審判とペナルティの付与はレース審判員の責務である。
 
11.1. レース審判員は、ペナルティが与えられるべきかどうかを判断するために、現場の目撃、写真、映像、トラッキング・デバイスなど、またはそれらに限定されない様々なリソースを使用することができる。
11.2. チームは、最後の表彰・授賞式の予定時刻の3時間前までに書面による正式な抗議を行うことができる。
11.3. 正式な抗議はARWS審査委員会によって受理され、以下の通り審査される:
11.3.1. 抗議について、通常チームキャプテンによって提出されること、そしてチームキャプテンのみが、レース審判員/レースディレクター/ARWS審査委員に質問、異議申し立て、および苦情を指示することが許可される。
11.3.2. ARWS審査委員会は、奇数のメンバーから構成されなければならず、最小は3人。
11.3.3. ARWS審査委員会は、通常以下を含む:
11.3.3.1. ARWS審判委員会の代表
11.3.3.2. イベントのレースディレクター
11.3.3.3. ARWS認定のレース審判員であり、ペナルティを付与したレース審判員以外であること。
11.3.4. ARWS審査委員会は通常、閉鎖されたセッションで抗議を開かなければならない。必要に応じて、関係するチーム、およびその他の証人または専門家に質問することがある。全会一致の決定が下されない場合は、ARWS審査委員会の投票により決定される。
11.3.5. すべての点において、ARWS審査委員会の決定は最終決定であり、上訴の対象とはならない。審査の内容を公にする義務はない。
11.4. 正式な抗議文書を受理したことによって、順位に不確実性がある場合は、ARWSおよびARJ審査委員会による裁決が決まるまで、表彰式の授与を遅延するものとする。
11.5. 表彰式で発表された順位は、禁止薬物テストの結果に従うこととする。
 
12.レース特有のルールについて
 
各レースにはそのレースのための特有のルールがあるかもしれない。そのルールと、ARWSの競技ルールが競合する場合、ARWSの競技ルールを優先するものとする。
 
12.1. これらのルールが別の言語に翻訳された後、ルール内容に矛盾が生じた場合、競技ルールの元であるARWS英語版を優先するものとする。
 
 

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